中心街のイルミネーションや十二月の寒さの向こう側に、違った音色を持つマドリードがある。耳を澄ませば、クリスマスに響くフラメンコの余韻が聞こえてくる。私たちにとって、この時期は買い物やネオンではなく、扉を開き、分かち合うことのための時間である。
ロマのコミュニティや真の愛好家にとって、クリスマスは単なるショーではない。歌と踊りがその原点である家族の集まりへと戻るための、完璧な口実なのだ。今日は、ガイドブックには載らないかもしれない風習を知ってもらうため、その扉を開きたい。ザンボンバの温もりから、あまり知られていないロマニの祝祭まで。
ロマニの祝祭:十二月二十三日
多くの人が二十四日をクリスマス・イブとするが、ロマの伝統では時計の進み方が違う。魔法はもっと早く始まる。十二月二十三日は神聖な日で、「ロマニの祝祭」あるいは家庭では「ジプシーのクリスマス・イブ」と呼ばれている。
それは形式的な食事ではなく、より生き生きとした集まりだ。本当の再会の日であり、強い抱擁が交わされる。ほかの人々が翌日の準備をしている間、ここでは年長者が若者へ、演説ではなく歌によって家族の物語を伝えている。これは純粋なフラメンコの伝統である。
クリスマスに歌われる代表的なフラメンコの歌
フラメンコの家庭で十二月はどんな音がするのか。店内のBGMは忘れてほしい。ここでは、音楽に緊張感とコンパスがある。
クリスマスのフラメンコが家を出て共有されるとき
こうした祝い方は、近さや、耳を傾け感じるための空間なしには成り立たない。だからこそ、十二月のマドリードでは、この親密で本物の雰囲気を家庭の外へと広げようとする人々がいる。
この時期、フラメンコは新たな場所を見つけ、本来の役割を果たし続ける。カルダモモのようなタブラオは、より近い形式で伝統的な祝祭の精神と結びつけている。
マドリードのクリスマスのフラメンコ を楽しみたい人にとって、この時期に公演を観ることは、異なる祝い方となる。根を尊重し、生の表現を大切にする文化体験である。